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​淡路島の現状

1、概要

淡路島は、淡路市、洲本市、南あわじ市の三市で構成されている。淡路市は、2005年に淡路町、東浦町、北淡町、津名町、一宮町が、南あわじ市は2005年に緑町、三原町、西淡町、南淡町が、洲本市は2006年に洲本市、五色町が合併して誕生しました。本項では、人口について、三市それぞれのデータを用いて説明し、旅客数については三市合わせたデータで考察します。

​2、人口

2020年2月時点の淡路島の人口は約13万4千人で、三市にほぼ均等に分布しています

瀬戸内海最大の面積を誇り、離島の中では最も人口の多い淡路島ですが、年々その人口は減少し続けています。国勢調査を参考にすると、三市とも1980年から2015年にかけて1000人減少しています。(図1)原因として少子高齢化の影響が考えられます。そこで兵庫県統計調査書をもとに出生数を調査しました。なお、合併以前のデータに関しては合算の上、現在の市名で記録しました。(図2)このデータから、増減はあるが1998年から2017年までの20年間で出生数が減少していることがわかります。2008年には三市とも出生数が400人を割り、10年以内に300人を割る市があり、急速な出生数の減少が確認できます。また、国勢調査をもとに高齢化率を調査すると、いずれの市も2000年以降、全国平均を上回る高齢化率を記録しています。2015年時点で総人口にしめる高齢化率は、淡路市は36.2%、洲本市は33.3%、南あわじ市は33.5であり、国連の基準に照らし合わせると超高齢社会といえます。

人口データ.png

​図1

出生データ.png

​図2

3、​対策と結果

淡路市​、洲本市、南あわじ市の各市の総合戦略を調査したところ、「女性の活躍支援」「移住者支援」「子育て支援」「雇用の創出」といった共通のっキーワードが見られました。これらは長期計画の政策の一部であり、現時点で対策の結果は判断できません。

その中で、淡路市に目を向けると現行の独自の制度が見て取れました。

特に移住者支援では、空き家の活用を行っています。淡路市の空き家率は14.4%にまで上ります。淡路市役所は、移住・定住希望者(UIJターン者)に空き家情報を紹介し、補助金を出す取り組みもおこなわれていますが、その実績数は少ないといえます。

他には、「赤ちゃん未来宝物政策」や「出会いサポート事業」、第2子から補助金を付与するなど子育て世代にとって魅力的な政策を実施しています。しかし、あまり周知されていないのかデータを見る限り、現時点では淡路市の人口減少対策に効果てきめんとは言えません。

移住者支援については、カフェ経営者の話にもかかわりますが、フィールドワークの中で出会った方々は利用されていました。今後、上記のような制度が認知され、淡路島の環境に惚れて移住される方が増えれば、移住者支援の活用者が増えてくるのではないかと感じました。

淡路市、淡路市地域創生総合戦略・人口ビジョンについて

https://www.city.awaji.lg.jp/soshiki/kikaku/chiikisousei.html (2020年2月20日)

洲本市、洲本市まち・ひと・しごと地域創生について

https://www.city.sumoto.lg.jp/soshiki/7/1826.html (2020年2月20日)

南あわじ市、まち・ひと・しごと創生総合戦略

https://www.city.minamiawaji.hyogo.jp/soshiki/furusato/sougousenryaku.html(2020年2月20日)

4、観光

兵庫県観光客動態調査によると淡路地域の観光客数は増加しています。(図3)その長期的な要因として、明石海峡大橋の開通があげられます。これにより、島外からの観光客にとって淡路島へのアクセスが容易になりました。近年の動向を踏まえると、東京に本社がある、株式会社パソナグループの参入により淡路島西海岸が開発され、様々な施設が増えていることが観光客増加の大きな要因のひとつに挙げられます。2008年に農業の活性化を目指して、独立就農を支援する『パソナチャレンジファーム』を皮切りに、2次元コンテンツにメディアアートを融合させた体験型エンターテイメント『ニジゲンノモリ』を2017年7月に、2018年4月には『HELLO KITTY SMILE』が新たな名所となり人気を博しています。

また、『淡路花さじき』や『淡路夢舞台等』の主要施設がInstagramスポットとして利用されるという新たな需要の誕生が観光客入込数を伸ばす要因になっています。歴史的観光資源の伊弉諾(いざなぎ)神宮は安定して観光客入込数を伸ばしていますが、その他天候に左右される観光地は台風等の影響を受けて減少する年があります。

問題点として、日帰り客が多く宿泊客が少ないこと、関西地域、近隣県以外の遠方からの観光客数が少ないことがあげられます。これに対して現在対関西圏外観光政策として行われていることが、タマネギや肉用牛などの生産地としての淡路島ブランドを活用し、「生産地から消費地へ」というコンセプトのもと、食をテーマにした観光戦略の展開です。淡路島島内においては、基本の食材を決め、各店舗がアレンジを加える淡路島牛丼の企画、淡路島島外では淡路島産の食材を使った加工食品や、居酒屋を展開しています。これらはフード新潮流(2009年6月22日日経流通新聞19頁)、週刊経済(2015年1月28日読売新聞朝刊30頁)他、多数の新聞記事に取り上げられており、食をテーマとした観光政策が展開されています。

兵庫県人口動態調査

https://web.pref.hyogo.lg.jp/kf02/hw07_000000001.html

​(2019年12月12日)

観光客データ.png

​図3

兵庫県観光客動態調査 https://web.pref.hyogo.lg.jp/sr16/kankokyakudoutaichosa01.html 

(2019年12月12日)

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